本質を選ぶ、真の豊かさ。
心から納得する家の選び方
家づくりを始めると、ワクワクする気持ちと同じくらい、「本当にこれでいいのかな?」と不安になることはありませんか?
SNSを見ればため息が出るほど素敵なお家や、カタログに並ぶ魔法のような最新の設備。「あれも素敵」「これも便利そう」と心がときめく一方で、悩みすぎて何を選べばいいのか分からなくなってしまう……。そんなふうに迷路に入り込んでしまうこと、ありますよね。
でも、安心してください。迷うのは悪いことではありません。それはあなたが、これからの暮らしや家族のことを、誰よりも真剣に考えている証拠だからです。
この記事では、情報がたくさんありすぎて疲れてしまったとき、肩の力を抜いて「本当に大切なもの」を見つけるためのヒントをまとめました。後半には、頭の中を整理する「チェック表」も用意しています。あなたの家づくりが、不安な迷路から抜け出し、「これだ!」と思えるゴールへ進めますように。
1|迷うのは、愛だから
家づくりは、人生の中でも一番といえるくらい大きな決断です。大きなお金がかかりますし、一度建てれば何十年も住むことになります。だからこそ、足がすくんでしまうのは当たり前なんです。
「失敗したくない」「後悔したくない」。そんな思いから、つい「あれもこれも」と機能を詰め込みたくなってしまいますよね。でも、いま感じているモヤモヤは、本当に「機能が足りないこと」への不安でしょうか? もしかすると、「便利さ」を求めるあまり、「自分たちらしさ」が見えなくなってしまうことへの不安なのかもしれません。
「本当にこの設備は、私たちの毎日に必要かな?」そうやって立ち止まり、悩み続ける時間は、ムダではありません。それは、あなたが家族の価値観を丁寧に磨いている、とても大切な時間です。焦って答えを出そうとしなくて大丈夫。その悩みこそが、いい家をつくる一番の材料になります。
2|憧れか、自分らしさか
家づくりで一番難しいのが、「欲しい(憧れ)」と「必要(今の暮らし)」を区別することです。SNSで見たスッキリ片付いた広いキッチン、友人の家にあって感動した映画用の部屋、担当さんが勧めてくれる最新の全自動の機械。どれも魅力的ですよね。でも、それはあくまで「誰かの成功体験」や「一瞬のときめき」かもしれません。
大切なのは、それが「飾らない、ありのままのあなたの毎日」に合うかどうかです。たとえば、お掃除があまり得意ではないなら、見た目のカッコよさよりも「汚れが目立たない素材」を選んだほうが、未来のあなたは笑顔でいられるかもしれません。パパっと料理を済ませたいなら、広すぎるキッチンよりも、手の届く範囲ですべて終わるキッチンのほうが、疲れにくいかもしれません。
「憧れの自分」を演じるための家ではなく、「素のままの自分」が一番リラックスできる家。見栄や流行をそっと横に置いて、最後に残るものこそが、あなたにとっての本当の「必要」です。
3|自分への、7つの問い
「どうしても決められない!」そんなときは、自分の心に次の「7つの質問」をしてみてください。ぼんやりしていた「本当に必要なもの」が、少しずつはっきりしてくるはずです。
①どれくらい使う?(利用頻度)
それは毎日触れるものですか? それとも年に数回? 毎日触れる床やお風呂は少しお金をかけてもいい場所ですが、めったに使わない部屋や設備は優先順位を下げてもいいかもしれません。
②代わりがある?(代用)
壁や床に固定しないと絶対にダメでしょうか? 家具で代わりになるなら、将来好みが変わっても買い替えられます。「あとで買い足せるもの」は、今ムリに決めなくても大丈夫ですよ。
③掃除はラク?(手入れ)
仕事や育児でヘトヘトの日でも、掃除ができますか? 家はあなたがくつろぐための場所。「ズボラな私でも大丈夫かな?」という視点は、自分を守るためにとても大切です。
④部屋は狭くならない?(広さ)
モノのために、人が心地よく過ごす場所を削っていませんか? 便利な設備を入れたせいで部屋が窮屈になってしまっては悲しいですよね。モノよりも、人間がのびのびと深呼吸できる「ゆとり」を大切にしましょう。
⑤気分は上がる?(ときめき)
理屈抜きで、見るたびに元気をもらえますか? 機能は普通でも、「これがあるだけで明日も頑張れる」と思えるほど好きなデザインなら採用して大正解。心の栄養になるものは、立派な「必要な機能」です。
⑥10年後も使う?(将来)
子供が巣立ったあとの、静かな暮らしでも使いますか? 今の忙しさは、ずっと続くわけではありません。少し先の未来、夫婦二人になったときの暮らしもそっと想像してみてください。
⑦値段に見合う?(コスト)
その価格に見合う幸せを毎日感じられますか? 単に高いか安いかではなく、「使う回数」や「満足度」で考えたときの「納得感」が大切です。毎日使う食洗機は高くても「安い買い物」になり、年に一度しか見ない飾りは「高い買い物」になるかもしれません。
4|頭を整理する「選択チェック表」
頭の中がいっぱいになったら、この表を使ってみてください。ご夫婦で意見が割れたときや一人で悩みすぎてしまったとき、3分ほど向き合うだけで「あ、これでいいんだ」と心が軽くなります。
合計点(最大 21 点)と判定
・【17〜21点】自信を持って採用しましょう!それはきっと、暮らしを豊かにしてくれる宝物になります。
・【12〜16点】一呼吸おいてみましょう。「代わりのもの」を探すか、「後でリフォームするとき」まで楽しみに取っておくのも賢い選択です。
・【11点以下】一時の「欲しい」が先行しているかも。一度リストから外してみる勇気が、予算と心の余裕を生みます。
5|家は「できてから」がスタート
家づくりは、単に建物という「箱」をつくる作業ではなく、「どんな風に生きていきたいか」を見つめ直す旅のようなもの。
たくさん迷って、悩んで、いらないものを手放して残ったもの。それらで出来上がった家は、モデルハウスのような派手さはないかもしれません。でも、あなたの肌になじむ、世界で一番「ホッとする場所」になっているはずです。
完璧じゃなくてもいいんです。判断の軸が整うと、家づくりはもっとシンプルで、楽しいものに変わります。このチェック表が、あなたの家づくりの不安を少しでも軽くできたら嬉しいです。あなたらしい暮らしが、静かに、でも確実に形になっていきますように。応援しています。
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