2026.01.27 19:00悠久の美に、素足でまどろむ。静謐をデザインする、床座の美学住まいを構成する要素の中で、床は最も大きな面積を占めるキャンバスです。多くの現代建築が「椅子に座る」ことを前提に設計される中で、あえて「床に美しく座す」という選択をすることは、空間の重心を下げ、天井を高く見せる知的な空間演出と言えるでしょう。かつて高貴な人々が座る場所として生まれた畳は、今、ミニマリズムを体現する意匠として再び脚光を浴びています。直線が織りなす幾何学的...
2026.01.25 19:00冬の暖かさと乾燥の付き合い方。家族と家を守る湿度の魔法2026年が始まり、1月20日には一年で最も寒さが極まる「大寒(だいかん)」を迎えました。今朝も厳しい冷え込みとなりましたが、これから家づくりをされる皆さんはどのような冬を想像されていますか。私が手がける家づくりでは、家中が足元からじんわり暖かい「床下エアコン」が大活躍しています。今では9割以上の方が採用されるほど人気の設備ですが、この時期だからこそ、住む前にぜひ知っておい...
2026.01.24 19:00足裏で選ぶ、一生の住み心地。木の真実に触れる、床の選択住まいの中で、私たちの体が最も長い時間、直接触れ続けている場所。それが「床」です。天井や壁とは異なり、床材は視覚的な印象だけでなく、肌触り、歩行感、そして室内の温度安定性にまで直結する、住み心地の「土台」そのものです。「手入れが楽だから」という理由だけで選んだ結果、数年後に「冬の冷たさ」や「夏のスリッパが手放せない不快感」という矛盾に直面することもあります。後悔しないため...
2026.01.23 19:00素足を育てる木の床。素足が喜ぶ、15ミリの森家を建てるとき、私たちはついキッチンや外観に目を奪われがちです。けれど、家にいる時間の中で、私たちの体にずっと触れ続けているのは他ならぬ「床」ではないでしょうか。もし今、家の中で当たり前のようにスリッパを履いているとしたら、それは床が冷たくて硬いのが「当たり前」になってしまっているからかもしれません。足の裏から伝わるぬくもりや柔らかさが、暮らしの質をどれほど変えてくれるか。...
2026.01.22 19:00失敗しない全館空調の真実。至福の冬を叶える全館空調注文住宅を建てる醍醐味は、間取りの自由度だけではありません。実は、目に見えない空気の質と温度をデザインすることこそが、一生の満足度を左右する真の贅沢です。特に、凍えるような朝、布団から出るのが億劫になる今の季節。リビングは暖かくても、一歩廊下に出た時のヒヤッとする感覚や、脱衣所の刺すような冷たさに、無意識のストレスを感じている方は多いのではないでしょうか。そんな家中の温度差...
2026.01.19 19:00センサーとスイッチの最適解。帰宅を癒やす、魔法のあかり玄関のドアを開けた瞬間、両手に荷物を抱えたまま壁を探り、スイッチを探す——。そんな日常の小さな「ノイズ」を解消する人感センサーは、現代の照明計画において欠かせない標準装備です。しかし、すべてを自動化することが必ずしも「豊かさ」に直結するわけではありません。真に快適な住まいとは、テクノロジーによる「おもてなし」と、人の意志による「コントロール」が完璧に使い分けられた空間です...
2026.01.18 19:00十年で紡ぐ、子の自立基地。「個」と「絆」を育む子供部屋の正解子ども部屋という空間がその役割を全うするのは、人生においてわずか10年余り。この驚くほど短い歳月こそが、子どもの一生を左右する自己肯定感と、家族への信頼の根を育む「聖域」となります。しかし、デジタルという壁が親子を阻む現代、子ども部屋はもはや単なる「勉強の場」ではありません。かつての「個室=自立」という方程式は、デジタルの闇による「孤立」を招くリスクへと変わり、最...
2026.01.14 19:00柿渋、時を愛でる琥珀色。劣化を知らない、天然の盾現代の家づくりにおいて、私たちは「メンテナンスフリー」という言葉に惑わされ、完成した瞬間が最も美しく、その後は劣化していく素材に囲まれてはいないでしょうか。そんな中、平安時代から日本の住まいを守り続けてきた「柿渋」が、今、サステナブルな建築の主役として再評価されています。柿渋は単なる古風な塗料ではありません。紫外線を浴びるほどに強く、美しくなり、木材の呼吸を止めずに守り抜く...
2026.01.13 19:00木の癒やし、心身を整える。木の香りが、心と体を再生する私たちの身体は、一日に約20kgもの「空気」を体内に取り込んでいます。だからこそ、住まいを構成する素材の選択は、単なる好みの問題ではなく、健康に直結する極めて重要な決断です。自然素材には、ストレスを緩和し、自律神経を整える驚くべき力が秘められています。しかし、単に素材を使うだけではその恩恵を十分に得られないという事実は、意外に知られていません。最新の「断熱・気密」という...
2026.01.07 19:00足元に流れる、小さな春。土と空気が、家族を包むカーテンをそっと開けると、庭の芝生に真っ白な霜が降りていました。窓の外の空気はピンと張り詰めていて、吐く息が白く濁ります。そんな寒い朝なのに、私はパジャマのまま、素足でキッチンに立っています。コンロにかけた、やかんの火を眺めます。シュンシュンと鳴り始めた音を聞きながら、足の裏から伝わる体温に近い熱に、思わず頬がゆるみます。いつもなら、つま先立ちで歩きたくなるほど冷たかった床が...
2026.01.03 19:00建築と自然、響き合う日常。庭と刻む、愛おしい時の流れ家づくりを考えるとき、ふと心に浮かぶのは、緑に囲まれた穏やかな暮らしの情景です。けれど同時に、日々の手入れを自分は愉しめるだろうかという、静かな迷いが生じることもあります。その迷いは、暮らしを大切に思えばこその、誠実な感覚です。確かに、庭を慈しむには手間がかかります。けれど、そのひと手間こそが、効率ばかりを求められる日々の中で、ふっと自分を解き放つ贅沢な時間になります。こ...
2026.01.01 19:007000万時代、賢者の選択。家族の時間に投資する贅沢昨日の新年のご挨拶に続き、本日は一人の建築士として、今だからこそお伝えしたい「大切なお金と未来の本当の関係」についてお話しさせてください。12月3日、住宅生産団体連合会より「2024年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」が公表されました。実際に家を建てた方の数字をまとめた、極めて信頼性の高いデータです。調査によると、土地代を含む住宅取得費の全国平均はついに 7,006万円 とい...