2026.01.16 19:00縁側が紡ぐ、内と外の余白。心をひらく、幸せな境界線現代の住まいは、効率や気密性を追求するあまり、いつの間にか「外界から切り離された閉ざされた箱」になってはいないでしょうか。縁側を造ることは、一見すると現代の住宅事情において「床面積の無駄」に見えるかもしれません。しかし、そこには過酷な夏を涼しく過ごし、冬の陽だまりを蓄えるという計算し尽くされた建築工学と、人との距離を自在に操る心理学的知恵が隠されています。都市の喧騒を和らげ...
2026.01.11 19:00歳月と共に育つ、豊かな住まい。日常に宿る、本当の豊かさ「もっと心が満たされる暮らしって、どんなだろう。」モノに囲まれる安心よりも、ふとした瞬間に胸に広がる静かな喜び。最近、そんな価値観に気づき始めた方が増えています。家づくりもまた、流行を追う「消費」から、自分たちの生き方を映し出す「表現」へと、静かに変わりつつあります。街に馴染む外観、リビングに響く笑い声、柱に残る背比べの跡。カタログには載っていない、けれど人生において最も大...
2026.01.09 19:00和紙の呼吸を、肌で聴く。光と和紙がくれる時間朝、まぶたの裏側に柔らかな明るさを感じて、私は目を覚ましました。カーテンを閉め切った部屋の重たい暗闇でもなく、窓ガラスから差し込む突き刺さるような鋭さでもない。和紙という植物の膜を幾重にも通ってきた光が、部屋のなかにミルクをこぼしたように、静かに満ちていました。ゆっくりと身を起こし、冷たい板間に足を下ろします。冬の朝の空気は容赦なく、指先がちりちりと縮こまるような寒さです。けれ...
2026.01.08 19:00呼吸する家、静寂を編む。ひとり静かに、深呼吸窓の外では、夕陽が山の向こうへゆっくりと沈もうとしています。部屋のなかに長く伸びたオレンジ色の光が、木の床を優しく照らしています。キッチンからは、お湯が沸いたことを知らせる小さな笛の音が聞こえてきました。今日一日、外の世界で誰かのために頑張った体をごろんと床に投げ出してみると、木のひんやりとした、けれどどこか体温に近いような柔らかな感触が伝わってきます。ふーっと長いため息をつく...
2026.01.04 19:00素材と暮らしの美学。質感で選ぶ理想の壁と天井家づくりにおいて、壁や天井は単なる境界線ではありません。それは光を反射し、音を整え、住まう人の肌に触れる空気の質を決定づける、空間の皮膚のような存在です。面積が広いからこそ、素材の選択が日々の居心地、さらには家族の健康をも劇的に変えてしまいます。本記事では、和紙、左官、塗装、無垢材という主要素材に潜む、カタログスペックだけでは分からない真の実力を深掘りします。単なる見た目の...
2026.01.02 19:00一番素直になれる場所へ。深呼吸したくなる家づくり。ふとした瞬間、スマホやPCの画面から目を離して、窓の外の空や街路樹をぼんやり眺めたくなることはありませんか?便利な毎日はとても快適ですが、コンクリートや電子音に囲まれ続けていると、私たちの心と体は知らず知らずのうちに緊張しているのかもしれません。この記事でご紹介したいのは、インテリアの難しいルールではありません。私たちが本能的に求めている「自然」の力を少しだけ借りて、いつ...
2025.12.29 19:00京都の庭園美学を邸宅に宿す。京都の庭園で学ぶ、理想の家づくり。理想の家を思い描くほど、コンセプトが定まらない。ありきたりなデザインでは満足できない……。家づくりは夢を叶えるプロジェクトであると同時に、そんな創造的な悩みがつきものです。もしあなたがアイデアを探しているなら、京都の庭園に足を運んでみませんか?そこには、自然と調和し、日々の暮らしを豊かにする普遍的な美学が息づいています。 1|家づくりの壁、それは「コンセ...
2025.12.26 19:00窓が作る、心の余白。窓の哲学、五感を磨く贅沢世界中の情報が指先一つで手に入る現代。遠くの誰かのつぶやきには敏感になれても、肌に触れる空気の温度や、壁に落ちる光と影の変化には、少し無頓着になっているのかもしれません。デジタルのざわめきの中で私たちが手放してしまったのは、五感で味わう「確かな現実」の手触りです。高画質の画面は鮮やかですが、そこには風の匂いも、陽だまりの温もりもありません。けれど、自分を取り戻すきっかけは、...
2025.12.24 19:00空間が物語る、豊かな暮らし。「普通の家」で終わらせない。「理想の家を建てたい!」と夢見て始めたはずなのに、打ち合わせを重ねるほど、なぜか漠然とした不安が大きくなる…。そんな経験はありませんか?実は多くの人が、気づかないうちに家づくりの本質を見失い、「もったいない選択」をしています。この記事では、単なる要望の実現で終わらない、家族の未来を豊かにする「最高の我が家」を建てるための、設計者との対話の本質についてお伝えします。&nb...
2025.12.22 19:00本質を知る人の、豊かな普通。50年後も愛せる「ふつうの家」家づくりを始めると、誰もが「家族のために最高の一軒を」と願うものです。カタログに並ぶ最新の性能(スペック)や、暮らしを大きく変えるという魔法のような新技術は、どれも輝いて見え、理想の未来を約束してくれるように感じます。しかし、多くの家づくりをお手伝いしてきた中で、ふと気づかされることがあります。それは、「建てた瞬間の最高」が、必ずしも「住み続ける中での最良」とは限らな...
2025.12.20 19:00真の贅、窓で極める冬の18時間。究極の暖、窓が語る真実「冬でも陽だまりを感じる、明るく温かいリビングで家族と過ごしたい」。それは、家づくりを考える誰もが胸に抱く、一番素直で、大切な願いですよね。でも、いざ打ち合わせが始まると「南側の窓は、太陽の熱を取り込むためにあえてペアガラスにするのが一番合理的ですよ。コストも抑えられますし」という専門的なアドバイスを耳にすることがあります。そのアドバイスは、理論の一つとしては間違いではありま...
2025.12.11 19:00時を継承する、生命の邸宅。時間が育てる、本物の木の家家を建てるとき、私たちはつい「完成した瞬間」の美しさをゴールにしてしまいがちです。でも、ピカピカだった床や壁が、暮らすほどに傷つき、汚れていくだけだとしたら……それは少し、寂しいことではないでしょうか。私が大切にしたいのは、「住み始めてから」深まっていく豊かさです。柱や床は飴色に馴染み、子どもがつけた傷さえも家族の記憶になる。まるで使い込んだ革製品のように、時間と共に愛着...