2026.03.15 19:00家づくりの真理。愛か、合理か。「一生に一度」のその先に、あなたはどんな朝を迎えたいですか?「一生に一度の大きな買い物」そんな言葉を、私たちは耳にタコができるほど聞いてきました。でも、その言葉の本当の重さを、自分自身の「体温」として感じられている人は、実は少ないのかもしれません。いま、日本の家づくりは、静かに、でもはっきりと「二つの道」に分かれています。ひとつは、無駄を省いた「ロジック」で、誰にでも失敗のない正解を届けてくれる大...
2026.03.14 19:00五感で選ぶ、景色になる住まい。高名な建築家たちは、究極の建築を「その土地から自然と生えてきたようなもの」と謳います。建物が景色に溶け込み、人もまたその場に自然と馴染み、安らぎの中に身を置く。それこそが、住まいの本来あるべき姿ではないでしょうか。30年以上、現場の最前線で素材と対話してきた私が、今あえて「窯業系サイディング」を選ばない理由。それは単なる性能論ではありません。自然素材が持つ普遍的な心地よさに深く触れるほど、工業製品...
2026.03.13 19:00設計の品格。無駄を削ぎ、贅を尽くす。「家を建てるなら、少しでも安くしたい。でも、性能やこだわりは諦めるしかないのかな……」家づくりを始めると、多くの方が「予算の壁」にぶつかります。キッチンのグレードを下げたり、照明を減らしたりと、細かい「引き算」に疲れ果ててしまう方も少なくありません。しかし、30年以上設計と現場を見続けてきた私からお伝えしたいのは、予算を決める一番の鍵は、設備の値段ではなく「設計者の描き方」にあるということです。同...
2026.03.12 19:00ハウスメーカーでは買えない空気。「不満はない」は、満足ではない。ハウスメーカーで建てる前に、どうしても知っておいてほしい「空気」の話家を建てる。それは、人生で最も大きな「決断」の連続です。最新の設備、耐震基準、断熱性能……。私たちはいつの間にか、膨大な「数字」と「正解」の波に飲み込まれ、一番大切なはずの「自分の肌感覚」をどこかに置き忘れてはいないでしょうか。先日、一人の男性が私の自宅(シンボルハウス)の門を叩きました。大手ハウス...
2026.03.03 19:00家は、一番身近な処方箋。病院に頼りすぎない未来を、建築の力で創り出す日本が直面している超高齢社会の出口は、病院の中だけにあるわけではありません。2023年度に約46兆円を突破した国民医療費は、2026年の今もなお膨らみ続け、もはや個人の努力だけで抗える段階を過ぎつつあります。しかし、もし私たちが日々を過ごす「箱」そのものが、病を未然に防ぐ処方箋になるとしたらどうでしょうか。住環境と健康の相関を紐解く「建築医学」は、これか...
2026.03.02 19:00窓の先、空を借りる暮らし。室内を超え、「外」と幸福に結びつく住まいのデザイン私たちはつい、住まいの快適さを「壁の内側」だけで完結させて考えがちです。しかし、真に豊かな居住空間とは、室内という限られた器を超えて、外に広がる自然や風景とどれだけ幸福に結びついているかで決まります。窓の外に広がる光、季節を運ぶ風の香り、そして視線が抜けていく開放感。これらは、どれほど高価なインテリアでも代替できない、住まいにとって究極の贅沢と言え...
2026.02.27 19:00命を宿す木と、呼吸する暮らし。適材適所の知恵が、住まいに永遠の価値を刻む日本の風景を形作り、私たちの精神性の根底に流れ続けているもの。それは、山々に息づく「木」という生命の力です。古来、私たちは木を単なる資材としてではなく、神聖な命を宿すものとして尊び、その性質を活かし切ることで独自の建築文化を築き上げてきました。現代の合理化された家づくりにおいて、木はしばしば「木目調」という記号に置き換えられ、その生命力や手触りが忘れ去られ...
2026.02.26 19:00自然と呼吸する、賢い家づくり。パッシブデザインが叶える、光熱費に縛られない自由な暮らし新しい家を建てるという決意の背景には、家族の笑顔や穏やかな暮らしへの憧れがあるはずです。しかし、いざ計画が始まると、私たちの前に立ちはだかるのは「エネルギー価格の高騰」という冷徹な現実です。かつては当たり前だった光熱費の基準は崩れ、今や住まいの維持費は家計を左右し、人生の選択肢をも狭めかねない大きな課題となっています。こうした中で、私たちが改...
2026.02.24 19:00美と機能が紡ぐ、理想の住まい。情報に惑わされない、本物の判断基準住まいに関する情報が溢れる現代、住宅の性能や設備、流行のスタイルばかりが先行し、かえって判断の基準を見失う方が増えています。選択肢の多さは自由をもたらす一方で、本当に自分たちに必要なものが何かを曇らせる原因にもなりかねません。私は、家を「作品」ではなく、10年後の静かな朝を守るための「道具」として捉えています。華美な装飾がなくても、光の入り方や風の通り道、そして日...
2026.02.23 19:00「安い家」が一生の負債になる理由。2026年、北関東。 冬の住宅展示場で、冷たい風に肩をすぼめながら歩く家族の多くが、ある「願い」を口にします。「今は子育てにお金がかかる時期だから、最新の50年ローンで月々の返済を抑えて、まずは予算を抑えた家づくりを考えよう」それは今の家族を想う、とても誠実な選択に見えます。しかし、インフレが進む2026年において、その「優しさ」が、数十年後の自分たちを追い詰める最大の「罠」になるとしたら……。最...
2026.02.22 19:00迷いを消し去る「思考の順番」。思考を耕し、願いを「熟成」させる家づくりの相談を受けていると、多くの方が「もっと早く知っておけばよかった」と、こぼれ落ちるような後悔を口にされます。その痛むようなお気持ち、私には本当によく分かります。一生に一度の大きな決断。失敗したくないと願うのは、それだけあなたが、これからの暮らしを大切に思っている証拠です。一人の建築士として多くの現場に立ち会い、対話を重ねてきて気づいたことがあります。後悔の本...
2026.02.21 19:00遠くの作り手と、理想を叶える。距離よりも、心の近さを選ぶということ「家を建てるなら、近くの会社が一番」かつては、それが当たり前の安心でした。何かあればすぐに駆けつけてくれる。その土地とのつながりこそが、何よりも確かな信頼の証だったからです。けれど、私たちの暮らし方や価値観がこれほどまでに多様になった今、パートナーを選ぶ基準は「通いやすさ」から「想いの重なり」へと、少しずつ変わり始めています。たとえ、いくつもの街を越え、山を越え...