2026.05.17 19:00引きと溜まりのエントランス学。アプローチの「引き」と、懐の深い「溜まり」。一歩踏み出すたびに心が整う、玄関デザインの魔法建物の扉を開ける、そのわずか数歩手前にある空間——エントランス。あなたは普段、どんな気持ちでその場所を通り過ぎていますか?そこは単なる「家への入り口」ではありません。訪れる人の期待を静かに高め、帰宅した家族の緊張をそっと解きほぐす。いわば、日常の喧騒からプライベートな安らぎへと意識を切り替えるための「心のフィ...
2026.05.15 19:00現代に灯す、日本のあかり。均一な明るさよりも、美しい「暗がり」を。LED技術と伝統が織りなす、令和の陰翳礼讃夜、リビングのスイッチを入れたとき。部屋の隅々までパッと真っ白に照らされる光に、どこか「落ち着かなさ」を感じたことはありませんか?私たちの日常には、あまりに多くの光が溢れています。しかし、古来より日本人が大切にしてきたのは、単なる「明るさ」ではなく、光と影が織りなす繊細な調和、すなわち「陰翳(いんえい)」でした。今回...
2026.05.08 19:00古くて新しい、究極の天然素材。正倉院の記憶から最先端テクノロジーまで。強くて、優しくて、美しい。世界が再発見した、日本が誇る「呼吸する工芸」の真実「和紙」という言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?書道で使う半紙、あるいは贈り物に添える懐紙でしょうか。しかし、和紙は単なる「紙」というカテゴリーでは語り尽くせないほど、奥深い力を持っています。それは、日本の豊かな自然、八百万(やおよろず)の神を敬う精神、そして職人の技が結晶...
2026.05.07 19:00光を磨き、影をまとう暮らし。光を「遮る」のではなく「磨く」現代の住まいを癒やしの聖域に変える、和紙と格子が紡ぐ機能美の結晶窓を開ければ、季節の香りが部屋を通り抜ける。そんな当たり前の景色を、もっと美しく、もっと優しく彩ってくれる道具があります。それが、古くから日本の住まいに息づいてきた「和紙障子」です。効率や利便性が優先される現代、カーテンやブラインドが主流となりましたが、実は今、感度の高い住まい手や建築家の間で、この「呼吸...
2026.04.26 19:00性能もデザインも、賢い予算配分術。30年の設計・現場経験から見えた、理想と現実を両立させる「バランスの技術」「性能を求めると、見た目が味気ない家になりそう……」「デザインを優先したいけれど、冬の寒さや地震への強さが不安で……」家づくりを検討中の方が、必ずと言っていいほど直面するのがこの「性能とデザインのジレンマ」です。30年以上、設計と現場管理の両方に携わってきた私から、まず結論をお伝えします。「どちらも諦める必要はありません。た...
2026.04.20 19:00光と影が紡ぐ、心の居場所。空間を感情で満たす、照明デザインの美学照明は、単に「暗い場所を明るくする道具」ではありません。それは、無機質な箱としての部屋を、感情豊かな舞台へと変える力を持つ演出家です。どんな光を選び、どのように影を配置するかで、空間の質と私たちの心は驚くほど変わります。設計士として30年、私がたどり着いたのは「明るすぎる家は、心を疲れさせる」という真実です。今回は、光の魔法を使って住まいを深く、美しく、そして...
2026.04.12 19:00太陽を、家族の味方にする。光と熱をデザインし、エネルギーを自給する豊かな暮らし朝、カーテンを開けた瞬間に差し込む光。その温もりに触れるだけで、私たちの心と体は自然と健やかなリズムを刻み始めます。しかし、設計士として30年、数多くの住まいと向き合ってきた中で、改めて実感していることがあります。それは、太陽は単に「部屋を明るくするもの」だけではない、ということです。太陽は、家全体を温める「天然の暖房機」であり、家族の暮らしを支...
2026.04.09 19:00家が、暮らしを助けてくれる。GX ZEH+で叶える、家計と心にゆとりを生む暮らし「将来、電気代はどうなってしまうんだろう」「もし大きな災害が起きて、電気が止まったら……」。家づくりを考えるとき、こうした不安がふと頭をよぎることはありませんか。最近の設計において、一つの指針となっている「GX ZEH+(ジーエックス・ゼッチプラス)」という言葉があります。それは、茨城の豊かな太陽を味方につけ、家が自らエネルギーを創り出し、蓄える...
2026.04.07 19:00空を切り取る、光の道。天窓がもたらす、静謐な時間と自然との対話忙しい日々の合間、ふと視線を上げた先に「空」がある。それだけで、強張っていた心がふっと解けることがあります。壁に設けられた窓が「景色」を切り取るものだとしたら、屋根に設ける「天窓(トップライト)」は、刻一刻と移ろう「光の表情」をダイレクトに室内に招き入れる装置です。設計士として30年、私が天窓をご提案する際に大切にしているのは、単なる明るさの確保ではありませ...
2026.03.31 19:00「自分で選んだ道」が鎖になる「自分で選んだ設計(みち)」という思いが、あなたを縛り付ける鎖になってはいませんか家づくりにおいて、着工が目前に迫る時期。それは本来、理想が形になる高揚感で満たされるはずの時です。けれど、図面の細部が確定し、生活のリアリティが増してくるほどに、「どこかで本質がすり替わってしまったのではないか」という、残酷なまでの違和感に襲われることがあります。最初は営業担当者と夢を語り、キラキラとした未来だけを見...
2026.03.30 19:00柔らかく温かい、繭のような安らぎを。一歩踏み入れれば、そこは繭の中ふとした瞬間に、「あぁ、帰ってきた」と心の底から深く息をつける場所。人が住まいに本当に求めているものは、きらびやかな装飾や目新しい設備ではなく、もっと深い場所にある「根源的な心地よさ」ではないでしょうか。それは、まるで柔らかな繭(まゆ)の中にそっと守られているような、温かくて清々しい感覚。一歩足を踏み入れれば、そこには心を急かすような硬いものは何一つなく、ただ穏やかな...
2026.03.28 19:00広さより質を、贅沢より知性を。遠い未来の私へ贈る、光の「余白」家づくりという旅の途中で、あなたは今、情報の濁流に飲み込まれそうになっていませんか。「断熱性能は数値で選ぶべきか」「窓は大きいほど正義なのか」スマートフォンの画面をなぞる指先が、少し疲れているように見えます。一度、深く、深呼吸をしてみませんか。スペックや効率という物差しを一度手放して、30年後、50年後のあなたが、その場所でどんな「光」に包まれて目覚めるか。そんな、...