豊かな家は「床の居場所」で決まる。

畳とカーペットで「居場所」が増える。

日本の住宅では、当たり前のように選ばれるフローリング。スタイリッシュで掃除がしやすい反面、「床の上で直接くつろぐ」という機会は意外と少ないかもしれません。もし、ソファや椅子以外にも、家族が自然と集まる「居場所」が家に増えたら、暮らしはもっと豊かになると思いませんか?

この記事では、あえてフローリング以外の選択肢、「畳」と「ウールカーペット」に注目。床材を変えるだけで生まれる「新しい過ごし方」と、家の満足度を面積以上に高める秘訣についてお伝えします。


1│ソファだけがくつろぎの場所?

現代の住まいでは、くつろぐ場所といえばソファやダイニングチェアが中心です。しかし、硬くて冷たいフローリングが主流になったことで、私たちは床に座ったり、寝転んだりする自由を失っていないでしょうか。家づくりで本当に大切なのは、家具の数ではなく「心からリラックスできる居場所」の数です。まずは、暮らしの選択肢を狭めている固定観念に気づくことから始めましょう。

 

2│畳コーナーが生む「暮らしの余白」

リビングの一角に、小さな畳コーナーがある暮らしを想像してみてください。子どもが絵本を読んだり、夫婦でお茶を飲んだり、時にはごろんと昼寝をしたり。畳は、目的を限定しない多機能なスペースです。赤ちゃんのおむつ替えにも最適で、床に座るという行為が、家族の目線を合わせ、コミュニケーションを育みます。「いつでも使える自由な場所」があるだけで、暮らしには心地よい余白が生まれるのです。

 

3│ウールカーペットの隠れた実力

ウールカーペットは、ただの敷物ではありません。冬でも素足で心地よい柔らかな足触り、優れた調湿性、そして静電気を防ぎホコリの舞い上がりを抑える効果まであります。特に寝室や書斎、2階のホールに取り入れれば、家全体の音の響きを和らげ、空間に「落ち着き」と「上質さ」をもたらします。足元から暮らしの質を高めてくれる、まさに縁の下の力持ちなのです。

 

4│満足度は面積よりも「過ごし方」で

「16帖のLDK」と聞くと、少し手狭に感じるかもしれません。しかし、畳コーナーやカーペットスペースがあればどうでしょう。床に座る、寝転ぶという選択肢が加わるだけで、ソファ周り以外にも人が集える場所が生まれ、「使える空間」は驚くほど広がります。家の価値は、平米数という数字だけでは測れません。「過ごし方の満足度」こそが、暮らしの豊かさを決める新しい指標です。

 

5│「理想の暮らし」から床材を選ぶ

もちろん、フローリングには多くのメリットがあります。大切なのは、「フローリング一択」で思考を止めないことです。あなたの家族は、家でどんな風に過ごしたいですか?床に座って本を読みたい、素足で気持ちよく過ごしたい、静かな環境でリラックスしたい。そんな「理想の暮らし」から逆算すれば、畳やウールカーペットは、住まいを何倍にも豊かにしてくれる最高の選択肢になるはずです。

建築工房『akitsu・秋津』

美は、日々の営みの中に。

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